堀田 修
OSAMU HOTTA
愛知県豊橋市出身
1983年防衛医科大学校卒業医学博士認定
NPO法人日本病巣疾患研究会(JFIR)理事長
IgA腎症根治治療ネットワーク代表
日本腎臓学会評議員
医療法人モクシン堀田修クリニック(HOC)院長
堀田 修
OSAMU HOTTA
内科医・医学博士
愛知県豊橋市出身
1983年防衛医科大学校卒業
認定NPO法人日本病巣疾患研究会(JFIR)理事長
IgA腎症根治治療ネットワーク代表
日本腎臓学会評議員
医療法人モクシン堀田修クリニック(HOC)院長
今日を喜んで生きるために
上咽頭を鍛える
私は東京ディズニーランドが開園した1983年に医師になりました。 そして、当時は不治の病であったIgA腎症を治したいという思いがあり腎臓内科を選びました。
現在は透析の原因となる腎疾患の一位は糖尿病性腎症ですが、 当時は慢性糸球体腎炎が最も多く、透析導入患者の7割程度を占めていました。 IgA腎症は慢性糸球体腎炎の約半数を占める代表的な糸球体腎炎で 私が腎臓内科を選んだ時点ではまだ有効な治療法がありませんでした。
当時、尿タンパクの多いIgA腎症にステロイド剤が投与されていましたが、 それにより寛解(尿タンパクと尿潜血の消失)になるということはありませんでした。
入院患者の毎日の回診でIgA腎症患者さんの扁桃に小さな膿栓があることに気づいたことで、 扁桃がIgA腎症の根本原因でないかと考えるに至りました。
そして扁桃を摘出して大量ステロイド点滴治療(ステロイドパルス)を行う 併用療法(扁摘パルス)を1988年に考案しました。
この治療でそれまで不治の病であったIgA腎症が早期の段階であれば寛解して治癒するようになり、 扁摘パルスは現在ではわが国のIgA腎症の標準治療の一つとなりました。
現在、医療の分野は細分化してIgA腎症に限らず、特に慢性的な疾患は その領域の専門医が診療することが一般的です。
しかし、「木を見て森を見ず」と言われるように症状や検査値の改善にのみ診療の主眼が置かれ、 根本原因の探求を含めて人間のからだ全体を見るという視点が疎かになりがちです。
病気を治すためには対症療法のみではなく病気の根本原因を探り 根本治療も取り入れた「木を見て森も見る」が必要なのです。
医療においては「病気を治す」ことが患者さんには最も望まれるゴールで、 実際にIgA腎症は早期であれば治る病気になりました。
しかし長年にわたる臨床経験を通じて、残念ながら治せない病気の方が 実際にはずっと多いことがわかって来ました。
そこで、視点を変えて「患者さんを元気にする」 という目標を私は意識しながら毎日の診療を行っております。
そして、元気になった患者さんには「今日を喜んで生きている」 という共通点があることに気づきました。
ところで「今日を喜んで生きる」コツはあるのでしょうか?
「感謝の心を育てる」
「前向きに考える」
「足るを知る」
「利他の精神を育む」・・・
そして私が提唱したいのは 「上咽頭を鍛える」です。
鼻の奥に位置する上咽頭は免疫学的に活性化されたリンパ球が豊富で、 そこの炎症が悪化し慢性化すると腎臓病、皮膚炎、関節炎などの 難治性な自己免疫疾患の根本原因になります。
それと同時に人が「喜んで生きる」ことにも実は深く関連しています。 人間の脳には感情に関係する情動能と言われる大脳辺縁系という部位があります。 大脳辺縁系の中に自律神経系の中枢である視床下部、記憶をつかさどる海馬、 そして扁桃体という喜怒哀楽をつかさどる部位があり、扁桃体の機能が低下すると 喜んで生きることが困難になってしまいます。
この大脳辺縁系の働きと密接に関連するのが上咽頭です。 詳細なメカニズムはまだ解明されていませんが慢性上咽頭炎で上咽頭がうっ血状態に陥ると 大脳辺縁系の機能が低下してしまいます。
つまり慢性上咽頭炎が「喜んで生きる」ことにブレーキをかけてしまうわけです。
それゆえ上咽頭を健康な状態に維持すること、慢性上咽頭炎を治すことが 「喜んで生きる」ことにつながってきます。
慢性上咽頭炎を治すことに最も有効な手段は塩化亜鉛溶液を浸した 綿棒を用いて上咽頭を擦過する上咽頭擦過療法(EAT)です。 しかしこれは医療機関を受診しないと実施してもらえません。
そこで自分で簡単に出来るセルフケアとしてお薦めなのが上咽頭洗浄です。 約1%の食塩水で鼻奥を洗えばそれでOKです。
市販の鼻うがい器具を用いた鼻洗浄でももちろん良いですが、 スポイドなどの柔らかい素材の容器を使って食塩水を上咽頭に流し込むだけで 簡単に上咽頭を洗うことができます。
洗浄液は生理食塩水(塩分濃度0.9%の食塩水)が安価で違和感が少ないですが、 食塩水の濃度を1.5~2%に上げるとウイルスの増殖を 抑制する効果があることもわかっています。
また上咽頭洗浄用に作られた市販の洗浄液を試してみるのも良いと思います。
慢性上咽頭炎はIgA腎症などの腎臓病や掌蹠膿疱症、慢性湿疹などの 皮膚疾患を代表とする難治性の自己免疫疾患の原因になることもありますので、 日頃から上咽頭洗浄で上咽頭を鍛えておくことは こうした慢性の免疫疾患の予防や改善につながるかも知れません。
そして昔から「風邪は万病のもと」といわれていますが 「慢性上咽頭炎は万病のもと」 と言い換えることができそうです。 上咽頭洗浄を日常の習慣にして万病から自らを守り、 「今日を喜んで生きる」ことを手に入れて下さい。
慢性上咽頭炎をはじめとする病巣疾患ならびに 「木を見て森も見る医療」に関しては 認定NPO法人日本病巣疾患研究会(JFIR) のホームページ(https://jfir.jp/)に 詳しく掲載されております。 興味のある方はご覧ください。
私は東京ディズニーランドが
開園した1983年に医師になりました。
そして、当時は不治の病であった
IgA腎症を治したいという思いがあり
腎臓内科を選びました。
現在は透析の原因となる
腎疾患の一位は糖尿病性腎症ですが、
当時は慢性糸球体腎炎が最も多く、
透析導入患者の7割程度を
占めていました。
IgA腎症は慢性糸球体腎炎の
約半数を占める代表的な糸球体腎炎で
私が腎臓内科を選んだ時点では
まだ有効な治療法がありませんでした。
当時、尿タンパクの多いIgA腎症に
ステロイド剤が投与されていましたが、
それにより寛解
(尿タンパクと尿潜血の消失)に
なるということはありませんでした。
入院患者の毎日の回診で
IgA腎症患者さんの扁桃に小さな
膿栓があることに気づいたことで、
扁桃がIgA腎症の根本原因でないかと
考えるに至りました。
そして扁桃を摘出して
大量ステロイド点滴治療
(ステロイドパルス)を行う
併用療法(扁摘パルス)を
1988年に考案しました。
この治療でそれまで不治の病であった
IgA腎症が早期の段階であれば
寛解して治癒するようになり、
扁摘パルスは現在ではわが国の
IgA腎症の標準治療の一つとなりました。
現在、医療の分野は細分化して
IgA腎症に限らず、特に慢性的な疾患は
その領域の専門医が診療することが
一般的です。
しかし、「木を見て森を見ず」と
言われるように症状や検査値の
改善にのみ診療の主眼が置かれ、
根本原因の探求を含めて
人間のからだ全体を見るという
視点が疎かになりがちです。
病気を治すためには対症療法のみではなく
病気の根本原因を探り
根本治療も取り入れた
「木を見て森も見る」が必要なのです。
医療においては「病気を治す」ことが
患者さんには最も望まれるゴールで、
実際にIgA腎症は早期であれば
治る病気になりました。
しかし長年にわたる臨床経験を通じて、
残念ながら治せない病気の方が
実際にはずっと多いことが
わかって来ました。
そこで、視点を変えて
「患者さんを元気にする」
という目標を私は意識しながら
毎日の診療を行っております。
そして、元気になった患者さんには
「今日を喜んで生きている」
という共通点があることに気づきました。
ところで
「今日を喜んで生きる」
コツはあるのでしょうか?
「感謝の心を育てる」
「前向きに考える」
「足るを知る」
「利他の精神を育む」・・・
そして私が提唱したいのは
「上咽頭を鍛える」
です。
鼻の奥に位置する上咽頭は免疫学的に
活性化されたリンパ球が豊富で、
そこの炎症が悪化し慢性化すると
腎臓病、皮膚炎、関節炎などの
難治性な自己免疫疾患の
根本原因になります。
それと同時に
人が「喜んで生きる」ことにも
実は深く関連しています。
人間の脳には感情に関係する
情動能と言われる
大脳辺縁系という部位があります。
大脳辺縁系の中に自律神経系の
中枢である視床下部、
記憶をつかさどる海馬、
そして扁桃体という
喜怒哀楽をつかさどる部位があり、
扁桃体の機能が低下すると
喜んで生きることが
困難になってしまいます。
この大脳辺縁系の働きと密接に
関連するのが上咽頭です。
詳細なメカニズムはまだ
解明されていませんが
慢性上咽頭炎で上咽頭が
うっ血状態に陥ると
大脳辺縁系の機能が
低下してしまいます。
つまり慢性上咽頭炎が
「喜んで生きる」ことに
ブレーキをかけてしまうわけです。
それゆえ上咽頭を健康な
状態に維持すること、
慢性上咽頭炎を治すことが
「喜んで生きる」
ことにつながってきます。
慢性上咽頭炎を治すことに
最も有効な手段は塩化亜鉛溶液を浸した
綿棒を用いて上咽頭を擦過する
上咽頭擦過療法(EAT)です。
しかしこれは医療機関を受診しないと
実施してもらえません。
そこで自分で簡単に出来る
セルフケアとして
お薦めなのが上咽頭洗浄です。
約1%の食塩水で鼻奥を
洗えばそれでOKです。
市販の鼻うがい器具を用いた
鼻洗浄でももちろん良いですが、
スポイドなどの柔らかい素材の
容器を使って
食塩水を上咽頭に流し込むだけで
簡単に上咽頭を洗うことができます。
洗浄液は生理食塩水
(塩分濃度0.9%の食塩水)
が安価で違和感が少ないですが、
食塩水の濃度を1.5~2%に
上げるとウイルスの増殖を
抑制する効果があることも
わかっています。
また上咽頭洗浄用に作られた
市販の洗浄液を試してみるのも
良いと思います。
慢性上咽頭炎はIgA腎症などの腎臓病や
掌蹠膿疱症、慢性湿疹などの
皮膚疾患を代表とする難治性の
自己免疫疾患の
原因になることもありますので、
日頃から上咽頭洗浄で
上咽頭を鍛えておくことは
こうした慢性の免疫疾患の予防や
改善につながるかも知れません。
そして昔から「風邪は万病のもと」と
いわれていますが
「慢性上咽頭炎は万病のもと」
と言い換えることができそうです。
上咽頭洗浄を日常の習慣にして
万病から自らを守り、
「今日を喜んで生きる」
ことを手に入れて下さい。
慢性上咽頭炎をはじめとする
病巣疾患ならびに
「木を見て森も見る医療」に関しては
認定NPO法人日本病巣疾患研究会
(JFIR)
のホームページ(https://jfir.jp/)に
詳しく掲載されております。
興味のある方はご覧ください。